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佐渡ものづくり道場【古食庵】
佐渡ものづくり道場より、楊(本来はアート系なんです)の渾身の力を込めて紹介したいのは、もはや食べ物ではありません。
「古食庵」の葛原氏です。人です。
勉強会でもお一人、作務衣を羽織り、他の生産者の方にも率直な意見を言い、たいへん優しい口調でお話しされていたのが葛原さんで、ただならぬ雰囲気に思わず好奇心が湧いてしまいました。
しかも、勉強会が少し時間が押してしまったために、葛原さんは結局プレゼンされずに帰られ、、、その理由が、明日開催する「そば祭」のそばを打つ準備ということでした。翌日、私たちは葛原さんがそば打ちをしている「ちょぼくり」へ、ちょっとだけお邪魔をして、お話を聞いたり、葛原さんや地域のおばあちゃんたちが作られたという竹細工やわら細工、やきものを拝見しました。それから、ちょぼくりの前にある市民施設に、そば祭の開会前の様子を見に行きました。
田舎に行くほど、手仕事が生活の中にいきいきとあらわれてきます。佐渡は特に文化的にも手仕事が色濃く残る地域ですが、ここで葛原さんの果たされている役割は大きいと感じました。そば祭は二日間で数百人の島内外の人が訪れるとのことでした。会場では、葛原さんや地域の方々の作られている手仕事の品々を販売するマーケットが開かれていました。地元の方はこぞってそれらの品物を楽しげに品評し、買っていきました。
私も負けじと、わらの卓上箒、招き猫の土人形を購入しました。
地域の文化というのは、その地域の人が作り出し、享受していて初めて、地域の文化と言えるのでしょう。
私は、東京の小さなアパートに、佐渡の空気を持って帰りたかったのです。それは私にとっては、きれいな製品ではなく、島の方が身近な材料を使って、丹誠込めて作られた、手仕事のものだったのですね。写真に写っている、やきものの朱鷺のデザインの箸置きは、葛原さんからいただいたものです。貴族の屋敷に使われる釘隠しか何かのような、古風で高貴な感じのするデザインで、一目で気に入ってしまいました。
土人形も、すごくたくさんの種類があって、朱鷺や鬼太鼓や祭のモチーフ、田楽の人形の首やら、、、いっぱい。土人形というのは、昔の玩具、お人形のようなものです。今も日本各地に残っているところがありますが、佐渡では昭和の終わり頃に、最後の継承者の方が亡くなられ、しばらく作られていなかったそうです。楠原さんはご自分の技術を生かして、残されていた人形の型から復元したり、新たに佐渡らしいモチーフの人形をデザインして、土人形を復活させました。
私は、このことだけでもどれほどすごいことかと、本当に感激したのですが、やはり佐渡は文化の奥深いところですね。他にも版画、裂き織りなど、佐渡の人が作り出すものはどこまでも美しく、素朴で、強いのです。
帰路、私たちは岩首という小さな集落に立ち寄り、海が見える棚田のてっぺんにあがり、先ほど購入した手作りのアップルパイを食べながら、海を隔てた新潟の山並みを眺めていました。
- 2009.12.15
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